~医師と学ぶ、遺伝性乳がん卵巣がん~に参加して

  7月12日(土)特定非営利活動法人群馬がんアカデミー主催:ピンクリボンデイ ~医師と学ぶ、遺伝性乳がん卵巣がん~ が開催されました。

都心まで出掛けず、地域で最先端を学べるのは幸運です。

遺伝子レベルの検査、治療については、数年前に「ぴあサポぐんま」が講演会で取り上げ、患者学を誘導しました。それらが今、加速的に周知されています。

遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の遺伝子検査には前立腺がん、すい臓がん、男性乳がんも含まれるのですね。私の場合、三親等内に乳がん患者はいないので、昼夜逆転した生活習慣により発症したのだ、と自責の念がありました。が、近親者に前立腺がんの患者がいたのを思い起こし、それが乳がんに変異したのかもしれない、と思い当たりました。

しかし遺伝子の影響があっても「即、発症」ではありません。この世には煙草を毎日50本吸い続けても105歳まで元気に生きている人もいます。特殊な免疫力があるから、というのを聞いたことがあります。

群馬の総合病院のドクターのご説明から、県内では多くの病院でBRCA1.2の血液検査を実施しているのを知り、県内の医療が、遺伝子検査にこれほど門戸を開いていたのか、と驚きました。『HBOC』検査は群馬大学附属病院、県立がんセンターにおいて実施しているそうです。いずれも保険適用内です。

乳がんを罹患され、それが遺伝性であることが判明した場合、特に若年の患者さんは早めに決断しなければならないことが山ほどあります。抗がん剤投与前の受精卵、卵子凍結や、乳房を同時再建するか、まず切除だけをするか、健側の乳房を予防切除するか、卵巣をどうするか、等々。がん告知を受けただけでも苦しいのに、相談できる機関は限られています。このような患者さんの悩みを共有できる組織が、必要だと痛感します。

時代は進んでいます。かつてはピンクリボン運動で、行き交う人を呼び止め、「乳がんモデル」を触らせ、肉まんの中に梅干しの種を探す、という触感を経験してもらいました。しかし、しこりを作らない種の乳がんも多いのですから、モデルを触ってみて「自分のお胸は大丈夫」と過信させるのは、もはや逆効果かもしれません 

NPO法人「クラヴィスアルクス」の講師は『がん患者が生活習慣病の悪人として苛められる、あるいは自分を責める』ことを問題視されていました。また、実姉ががん治療の万策尽きたあと、民間療法にはまった痛ましいエピソードも胸に刺さりました。これら民間療法を何故、「特殊詐欺」として警視庁は取り締まらないのか、不思議です。儲かっているから行政にとって税収が良いのか?などと疑りたくもなります。

がん闘病という情報戦を勝ち抜くためには、様々なサロンや会が、互いのイベントに参加して多角的に学ぶことが必要です。ネットや読書とは違ったインパクトがあるのです。患者のために奔走している者同士、その活動に敬意を払い、尊重し合うことなしに視野は広がりません。参加者の中に、男性の医学生がいらしたことも喜ばしいことでした。

蛇足ながら、参加する者はワクワクしながら赴きますが、これだけのイベントを実施するには経験した立場でなければ分からない苦労があります。

ところどころノートを取りながら、『お菓子の家 ガトー・ドゥ・リヨン』のサーブで、久しぶりに焙煎ホヤホヤの珈琲の本物を飲みました。ヴィーガンクッキーが美味しかったこと。バターを入れずにこれほどサクサクしたクッキーが作れるのか、初体験の味わいでした。

闘病中の乳がん患者にとって必要なことは、役割を持つ(必要とされる存在であること)、栄養バランス(タンパク質を一切取ってはいけない、等の偏りを、妄信しないで欲しい)、に加え、体を動かし、インナーマッスル(筋力)を付けることが抗がん作用を持つことはほぼ間違いないようです。そしてこのような機会を捉え、闘病仲間と共に勉強することを、皆様に強くお勧めしたいです。

自らのキャリアを通して優れた人々に出会い、その繋がりをこのように開花して下さった、『群馬がんアカデミー』の活動に感謝します。

コメント