充実していた「乳房再建サロン20周年記念講演会」:改めて感謝

以前の「シャロン前橋」のHPは契約を終え、新たなHPを立ち上げました。

門扉にはこちらからお入り下さい。

Charon Maebashi 

 初代マダムの『浮舟さん』、SOGのリーダー『ポーさん』は佐武利彦Dr.の乳房再建のごく初期の患者さんでした。

彼女達の勇気がDr.のその後の努力、研鑽を促し、さらには全国の再建サロンの活動を助けることになりました。どれだけ多くの乳がん患者さんを救ってきたことか。

司会の二代目マダム『たまちゃん』の、「今や情報集積、整理においてはAIがはるかに人間を越えている。それでも人間の悩みにAIが答えられるわけではない』という内容の言葉、それこそが「シャロン前橋」のような小さなサロンの運営を続ける意味だと思います。

今回は、懐かしい恩人達にお礼をいうのを楽しみにしてきましたが、講演を通し、変化している再建事情、乳がんを取り巻く医療の環境をタイムリーに知る事が出来て、大いに刺激を受けました。

佐武Dr.常勤の富山大付属病院では、発症した乳がんが遺伝によるものだと判明した場合、健側も同時に再建し、また、将来がん化するであろう卵巣をも同時に切除するトリプルオペを一回で済ます事例がある、と聞きました。婦人科、乳腺外科、形成外科、麻酔科のチーム医療の賜物ですね。一般の病院では技量より先に、そのような良好な協力体制を築く苦労があるでしょう。 

佐武Dr.と乳腺外科の石川孝Dr.とは長年親密なパートナーなので、あらゆる乳腺外科と形成外科がそもそも仲良し小好しの関係だと思っていたところ、巷ではなかなか難しいそうです。

群馬県内の某総合病院では再建に前向きな患者さんに、乳腺外科医が「再建だけが生きる道ではない」とブレーキをかけています。その患者さんは全摘していて、再建を難しくさせる転移や放射線治療もありません。患者自ら、再建に気が進まないというならいざ知らず、何故、乳腺外科医の意識が一時代前に戻ってしまったのか不思議です。

ところで、しずく型のシエントラは国内の在庫が終了すれば、あとは補充がありません。シャロン前橋のレギュラーさんにもシエントラの形、サイズで綺麗に再建出来た患者さんがいるので残念です。今後は従来のアラガン社のラウンドタイプと、「モティバ」が活躍することになるのでしょう。定着して欲しいです。 

『患者さんと家族のための乳房再建ガイドブック』日本形成外科学会編 定価 3,080円 医歯薬出版株式会社発行(書店で注文可)

 重版されています。これまでは再建の名医達の著わした何冊かを当サロンで紹介していましたが、これ一冊あればかゆいところに手が届くでしょう。お勧めします。

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富山大付属病院では トランスジェンダーのための外科手術を一定の条件下のもと、すでに保険適用内で行っているとのこと、ハッとしました。海外へ、あるいは実績の少ないクリニックに赴き、危い思いをされている性同一障害の方は是非、詳細を当ってみて下さい。あまりにセンシティブな事例なのでこれ以上ここには書けません。

※連休の真ん中の開催日だったお陰で、行きも帰りも列車の自由席に座れました。綿密な準備のお陰か、段取りもすっきりしていて実に濃密な空間でした。スタッフの皆様、改めてお礼を申し上げます。本当にお疲れ様でした。

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