患者サロンに踏み込むタイミング
8月10日(土)の乳房再建サロンは、初参加2名、自家組織完成者3名、シリコン完成者1名、自家組織予定者1名、自家組織の途中2名、エキスパンダー挿入予定者1名、再建思案中1名、ベテランサポーター1名、計12名の参加でした。
この日ようやく仕事を終えたSさんが急いで来てくれて、地元の病院で作った自家組織完成品を見せて下さったことは、同病院でオペをしようと考えている人にとって、幸運でした。3、4年経ち、傷跡が抜けてきていて、とても綺麗でした。
また、先のサロン報告でもご紹介しましたが、両側罹患、放射線照射済、腹部帝王切開2回のXさんが、今回は乳頭再建+脂肪注入による本体修正の「作品」を見せて下さいました。罹患は20年以上前のことで、乳がん切除は大胸筋まで取る旧式の大手術だったそうです。これほど綺麗に再建出来る実例は、何物にも代えがたいと思います。この後、乳輪はメディカルタトゥーで作り、完成となります。
Xさん自身の意志の賜物でもありますが、サロンに参加しリサーチするタイミングが適切でした。そのタイミングが遅すぎる場合は残念です。医療機関、再建方法、手術日も全て決まり、その日を心待ちにしている参加者に、あえてリスクを説明するのは勇気が要ります。中止した方が良い、と明言して逆恨みされる、あるいは分を守って本人の意志を尊重し、結果、難渋している例に直面するのはいずれも悲しいことでした。ボランティアを続ける限り、このようなジレンマに陥ることがあるのでしょう。
30年余り前に罹患したサポーター(長きにわたるシャロンの擁護者)が、乳がん闘病の変遷についてお話し下さいました。上記のXさんはこの方の繋がりでシャロンに来て下さったのです。
初参加の方が闘病の思いを率直に語って下さったことで、一層メリハリある集いになりました。再建以前の治療、副作用の悩み、ドクターとのコミュニケーションについて、先輩患者達の経験も様々です。
ご自身の闘病の日々をブログ発信したいと願っている方がいらしたら、是非、志しを遂げて下さい。感情を吐露する一方、知識のウラを取る冷静な学びは発信者にとって大きな力になるでしょう。
ある病院では乳房再建をどう捉えるか、その方針がコロナ禍の前と後でまるで変わっています(前進、後退、いずれも有るようです)。
また、気を付けなければならないのは、ネットで公示される情報が、たとえ信頼出来る筋であったとしても、問題はいつの時点の発信なのかということです。
あるサイトでは「オンコタイプDX」検査により、その人に有用な抗がん剤等を割り出す検査が保険適用不可、35万くらいかかる、とありましたが、2023年9月から保険適用になっているのです。
最新の情報ゲットはサロンで患者さん達の個々の事情に耳を傾けることも、ツールになるでしょう。
サロンの後、カフェに流れて夕食を頂き、花火を打上げる音が聞こえたので、平成大橋まで皆で歩きました。皆それぞれ、「乳がん告知をされた時には頭が真っ白になった」という所を通ってきているのだ、と思うと出逢いの不思議さを感じます。乳がんをきっかけに人生の不運の底を付き、Vの字型に生きがいを掴んだ患者も少なくありません。欄干にもたれて大輪の花火を観ながらも、話しが尽きることはありませんでした。
次回の街角サロンは 10月12日(土)15時~17時です。
(群馬県立図書館3階研究室にて)
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