2024年8月10日(土) 街角サロンを開催します

  2024年8月10日(土) 街角サロンを開催します。

会場:群馬県立図書館 三階研究室

時間:5時から17時まで(開始時間にご注意下さい)

原則として予約制ですが、当日の御連絡でも大丈夫です。思い立ったらいらして下さい。

あらかじめ参加希望の方は下記の連絡先まで。

電話 090-6023-7026(非通知はお受けしていません)

メール hdnfn138@yahoo.co.jp

会場の研究室は、大きな円柱の陰に入り口があります。迷子になったら、上記のケイタイにお電話下さい。


 2023年制作のスペイン映画「ミツバチと私」は、 

興業的な作品ではなく、小さなシーンにも静謐なメッセージが込められていました。

主人公の8歳の少年は、心は女の子なのです。すでにこの歳で、体と心がマッチしない苦しみがこれほどのものなのか、と衝撃を受けました。やがて思春期を迎え、声変わりもする、体型もいかつくなる、恋心も生まれる。どれほどの生きづらさが少年を待ち受けていることか。

 は母の故郷でひと夏を過ごし、村の因習に傷つき、一方でありのままの自分を包み込む豊かな自然に慰められます。少年の自死を恐れた身内達が、「男でも女でもいい、生きていてくれ」と沼の周辺を必死に探し回るシーンが切実でした。

 ところで私の幼年時代、近所に変わったオジサンが出没しました。どこかにお勤めだったようですが、ほの暗い帰宅時間に公衆便所に入り、スカートに着替えて口紅を塗って出てくるのです。当然、噂になります。うっすらと笑みを浮かべ小走りして行くオジサンに出くわすと、子供など何も分らず残酷ですから、面白半分に悲鳴を上げて逃げ惑うのでした。今にして思うのは、その僅かな時間だけが「オジサン」にとって、本来の性を表出できるワクワクしたひとときだったに違いありません。

 「ミツバチと私」。こじつけに思われるかも知れませんが、女性として「女性がん」に罹り、治療し、再建して女性としての体を取り戻すというノーマルなチャレンジが、どれほど恵まれたものか、不思議なほど強く心に刻まれたことを、ここに記しておきます。

-------------

コメント