乳がん切除後の上腕部の可動域、自家組織再建後の腹筋作りを心がけましょう

 68日街角サロンの参加者は 自家組織完成2名、自家組織途中1名、シリコン完成2名、再建思案中3名でした。計8名でした。

昨今、シリコンの再建経験者の参加が少なく困っていると伝えると、仕事や介護の時間をやりくりし、OさんKさんが駆けつけて下さいました。 

Oさんは「左全摘+シリコン」の10年選手。Kさんは出来たてのほやほや、しかも両側なのでほぼ左右対称です。ほぼ、と言うのは、両側を全摘していても、患部に残っている乳腺や脂肪は同量ではないので、再建仕上がりに多少の違いはあるかもしれません。但し、ご本人にしか分からない程度のものです。

腹部からの皮膚ごと移植した自家組織再建の場合、お胸とお腹の皮膚のパッチワークになります。マリンスポーツを楽しむ方は胸元が小麦色なので色の違いが気になる所ですが、個人差はあるものの、何年かで抜けて行きます。

この日、一つ気がかりだったのは乳がん切除後、または再建後、運動機能に障害が残る例でした。無理は禁物ですが、許される範囲でストレッチ、筋トレをしましょう(その点からも、医師が相談に乗ってくれる、話しやすいタイプであるのが望ましいのですが)。何もしないでいると関節が固まり、あるいは筋量がゼロに近くなり、歩く姿勢や日常生活に支障を来たします。乳がん切除後の上腕部の可動域、腹部からの移植後の腹筋、シリコン挿入後の胸部、腋下のストレッチなど、やり過ぎは禁物ですが、大事な要素です(私の場合、乳がん切除後、40肩になったのですが、痛み止めを飲んでから体操するように整形外科医に言われました。あの痛みは薬無しでは気絶します)。

 コロナ禍の拘束が解かれて再建事情も甦りました。むしろ、県内の医師が連携を図り、患者のために他の病院を紹介してくれる例も少なからずあり、とても感謝なことです。

以前、県内に乳輪乳頭のための医療刺青をしている病院は無い、とブログに書きましたが、現在、前橋日赤の形成外科にて、自由診療による施術がなされています。

 話は変わりますが、先日TV特集で、「がんが治る魔法のアイテム」詐欺に巨額を投じ、標準治療を受けることなく、亡くなってしまった乳がん患者の家族の声を聞きました。亡くなった母上の遺品整理をしている娘さんのところに、未だに宣伝の詐欺📞が掛ってくる現場も取材されていました。

すでに故人となった「がん無治療、提唱者」、K医師がこの種の詐欺の温床を作ったといっても過言ではないでしょう。K医師はおそらく、自分の主張が嘘八百であると知っていながら、マスコミにもてはやされ、引っ込みが付かなかったのだと思います。『がんと言われても、多くは「がんもどき」だから放っておいても治るし、本当のがんなら治療したところで治らない。だから放置せよ』というのが正しいなら、全国のがん患者会やサロンは無意味です。

会やサロンで情報交換をし、美しく再建なさった患者さんの多くは、そもそもがんをきちっと切除し、尚、半年から一年を越える抗がん剤治療で体内に残ったがん細胞を叩き、さらに10年近いホルモン療法でがん細胞を眠らせています。再建はあくまでもその標準治療にのっとって行われるものです。 

乳がん0期で見つかる患者さんが増えているのは長年のピンクリボン運動の効果です。K医師のように名声に踊らされ詐欺の温床を作ってしまった存在と対局にあり、長きに渡って早期発見の重要さを訴えてきた患者会、抗がん剤の効果を広めるために全国を手弁当で行脚されてきた勝俣範之医師に、改めて拍手をお送りしたいです。

 次回の定期サロンは810日(土)、群馬県立図書館三階、研究室にて開催です。

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