サロン報告 ~化学治療の覇者たち~
2024年2月10日の街角サロンは、シリコン再建完了2名、自家組織再建完了2名、化学治療中2名、治療方法思案中1名、再建思案中1名、計8名の参加でした。
不参加の方々からも近況をお聞きしています。
・およそ7年前に挿入したシリコンが反転しかかっているとのこと。ご本人の自覚は無かったので、表向きはまだ目立たないのでしょう。入れ替えるとしてもエキスパンダーからのやり直しは必要無く、シリコンのみで済むそうです。
・いよいよ完成に近づいてきた自家組織再建のXさん。乳輪乳頭の色づけ(刺青)途中ですが、血栓の出来やすい体質なので血液さらさらのクスリを飲んでいます。刺青で出血し、色づきがはっきり見えないので、二度に分けての施術になりました。それが2月中に終る予定で、実に8年めの完成です。フルタイムの忙しい仕事をしながら、ゆっくりじっくり事を運んできたのですから、すぐに思うような形に整わず戸惑っている再建患者さんは、8年選手がいることで勇気が湧くのではないでしょうか。
・昨年暮れにエキスパンダー挿入した患者さんは生理食塩水が順調に入っているとのこと。
・両側全摘、自家組織による再建予定の方がお一人います。この春、無事に手術日を迎え、成功するのを心から祈っています。
さて、この日の話題は化学治療に集中しました。これから補助治療に入ろうというある患者さんは、ご自分の病理を詳しく調べ、様々なことをご存じでした。金原出版発行の「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」をお読みになったそうです。以前にもブログでお勧めしましたが、これは幾多の専門家があらゆる角度から精査し、校正しているものです。
オンコタイプDX検査(化学治療が効くかどうか予測出来る、遺伝子レベルの病理検査)、これが保険適用になったことは幸運、というより必須でした。
医療費の点からは無駄な投薬に税金を費やさなくて済むし、患者にとっては効かない抗がん剤に苦しみ、大枚をはたく必要が無い。ほぼ有効な治療のみに専念出来ます。
抗がん剤の副作用への恐れは誰にもあると思いますが、現在治療中の方がサロンのなかで「(抗がん剤との闘いには)区切りがある」と一言おっしゃったのに説得力がありました。術前、術後の多剤併用の投薬と、長いこと向き合ってきた患者さんです。よく頑張って来られました。人手の足らない職場で働き、金曜に投薬して土、日に休み、副作用が楽になる月曜から出勤、というプロセスを通ってきて、その治療もあと2クールで終わるそうです。明るい笑顔でした。何と、この春から町内会のお仕事も回ってくるとのこと。神様は頑張る人に次々と課題を回してくるものですね。
思い返せば、彼女が全摘手術をする前、治療法の選択に迷っていた時、1時間余り車を走らせ、相談に応じてくれた患者さんがこの日も参加してくれました。その方も分子標的薬を含めたフルコースをやり終えた患者さんです。長く思える抗がん剤治療、でも、いつか終わりが来るのです。
女性が働くのが当たり前の時代ですが、私たちは社会的な立場があること、仕事という責務があることに救われているのかも知れません。自分の場合、さっさとやっつけるしかない、と居直っていた気がします。
尚、この日は以下のジム、サロン、治療相談のHP、グッズをご案内しました。
「リハビリ乳がんヨガ」(→ nitta.minami@gmail.com)」国立大の女医さんが主催しています。
「ウーマン・キャンサー・ネットワーク・ぐんま」
(→ wcn.gunma@gmail.com) 女性のみのサロン、様々ながん種、年齢層の患者さんが集まっています。
江戸川病院、田澤篤医師のHP「乳がんプラザ」(乳がんプラザで検索出来ます)。歯切れよいQ&Aコーナーはお役に立つでしょう。
リンパ浮腫を防ぐグッズ、「Dr.メドマー」。(ドクターメドマーで検索出来ます)。私はこれを愛用し、リンパ8カ所転移(18カ所郭清)でしたが、未だ浮腫を起こしていません。
次回の街角サロンは4月13日 午後3時から5時迄、会場はいつもの群馬県立図書館です。
上州の春の風はもの凄いです。軽量の方は飛ばされないように。
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