街角サロンのご報告(テーマ:乳輪乳頭作成)2022/04/09 

  今回は乳房再建の完成者4名、乳輪乳頭作成中1名、本体のみ完成して乳輪乳頭の方法は思案中という方が1名、再建検討中1名、計7名の参加でした。

まずは乳輪乳頭の作成に絞ってご報告し、かみ砕いて説明してみます。

・健側の乳頭+鼠径部の移植した方が1名(県内で施術)。健側の乳頭から採取したものを患側に縫い付け、その周りに、足の付け根の色濃い部分(鼠径部)から採った皮膚をぐるりと縫い付け、乳輪を作ります。初め赤黒かったその部分も半年のうちには自然な色合いになっていました。

・スターフラップで乳頭を作り、乳輪乳頭は刺青にて作成した方が1名(東京都内で施術)。

スターフラップとは、皮膚を星形に切って立上げ、根元を縛りお豆状にして乳頭を作ることです。健側の乳頭が小さく採取しづらい方、健康な部分に傷を付けたくないと思う方に向いています。

スターフラップで乳頭を、乳輪は鼠径部から移植。その後乳輪乳頭を全体に刺青して色を整えた方が1名(神奈川県で施術)

・スターフラップで乳頭を作成、乳輪は刺青を予定している方が1名(都内で施術予定)。

・乳がん手術が「皮下全摘」だったゆえ、乳輪乳頭は失わずに済んだが、ドクターによると「再建手術の時にそれが邪魔であった」とのこと。本体を再建する時、乳頭の場所をズレないよう再建するのはテクニックが要るのです。場所がズレた乳輪乳頭の位置を、改めて矯正するのは名医であっても至難のようです。

※スターフラップで作った乳頭は陥没しやすいので、施術後しばらくは保護が必要です。ガーゼやスポンジの真ん中をくり抜き、乳頭にあてて絆創膏で固定しますが、寝ている間にずれてしまうこともあり、現在、保護中の患者さんは「ピアニー」(メディカル・ラボで作成しているシリコンの乳頭保護グッズ)に助けられていると聞きます。

私もピアニーのおかげで陥没を免れました。接着剤の必要は無く、ぺたっと貼って下着で固定すれば良いのですから簡単です。1年くらい付けていたでしょうか。今では全くノーメンテ、落ち着いています。

刺青は原則、局所麻酔です。自由診療なのでその手法によっては20万を超える場合もありますが、おおよそ数万単位でしょうか。刺し直しの場合は、割引きされるようです。

どのような方法で作成しても、年数とともに作られた乳輪乳頭の色は薄くなります。茶系の眉墨マーカーを塗っても、その時だけならまことに自然に見えますよ。

 

今、乳輪乳頭の作成を考えている方が、こうした記述だけを読むと、いかにも大ごとでため息が出るかもしれません。でも参加者達は乳がん告知から始まり、術前、術後抗がん剤、ホルモン療法、と長きに渡り、家族の世話や仕事をやり繰りしチャレンジして来ました。一気に片付いたわけではありません。今回のサロンでは幾度となく伺ってきた参加者達の病歴を改めて確認しました。その時々で不自由、不安、哀しみがあり、尚、前を向いて進んできた結果を、体感会で見せていただいています。

また、レギュラーのSさんが週刊朝日の記事をお持ち下さいました。がんの手術数を見ると、やはりこの1年は都内の病院で乳がんのオペをする患者数が減少していました。全国的に見ても乳がん検診率そのものが1割減となっているのが、気がかりです。

以前のブログで群馬県内の乳腺専門のクリニックをご紹介しましたが、

高崎乳腺外科クリニック https://takasaki-bc.com/

を落としていました。乳がんの罹患が急増している今、密になる総合病院を避けて検診を受けられるのは有り難いと思います。

 

四月は世界が白く輝いて見える季節ですが、寒暖差甚だしく体調を整えるのも一苦労です。風邪と熱中症の予防に気を付けて過ごしましょうね。菜の花の群生、街路樹のハナミズキを楽しみながら。

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