2021年12月のサロンのご報告
この日は予約制にて、8名の参加でした。
自家組織完成者3名、シリコン完成者2名、エキスパンダー挿入中1名、再建熟慮中1名、技師1名。
・ハイライトは県内の病院にて腹部の穿通枝皮弁の再建、乳輪乳頭(鼠径部から採った皮膚で乳輪を作り、健側の乳頭を半分移植)を作って間もないX1さんのお話でした。2017年2月に全摘手術、抗がん剤、ホルモン療法を経て、再建手術が完成するまでに約4年半年かかっています。フルタイムでお仕事をしながらの長いチャレンジでした。体型はほっそりしてバストは豊かなので、ベリィダンサーのようなスタイルでした。
・シリコン経験者から、季節が冷え込んでから、再建した一部分に痛みを覚えるというお話しがありました。エキスパンダー挿入時からあった痛みと同じ箇所で、検診で異常は発見されず、体を動かすことで緩和されたそうです。冬場に起りやすいのですね
・自家組織の修正手術をして間もないX2さんは電話で報告して下さいました。自家組織の再建は大きめに作っておいて、後日、脂肪吸引で形を整えるのが通例です。X2さんは退院されたばかりで、元気なお声だったのでホッとしました。2時間の全身麻酔でした。血栓の出来やすい体質です。二週間前からホルモン療法を止めていたそうです。
そのX2さんからの耳寄りな情報です。乳輪乳頭の術式に迷っている患者さんは少なくないはずですが、たとえば岩平佳子ドクターの「ブレストサージャリークリニック」には、刺青だけで乳輪乳頭があるよう見せる技術があります。そのような施術をするところがぼちぼち出来てきました。実際に経験した患者さんのお声をまだ聞いていないので、ここには施設名を明記しませんが、情報の欲しい方はご連絡下さい(自由診療の都内のクリニックです)。
但し、刺青は時間と共に薄れます。刺し直しが必要です。また、色のついた皮膚を移植しても、時間と共に薄れます。必要な時に、眉墨などを塗って誤魔化すことも出来ます。2021年12月現在、群馬県内に刺青で乳輪乳頭の色を整える医療施設はありません。
・ハッとしたのはアレルギー体質の再建方法でした。例えば金属アレルギー体質の患者さんに、エキスパンダーの金属部分はどのように反応するのでしょう。これは乳腺外科、形成外科のドクターにいつか、お尋ねしたいことです。私自身はエキスパンダーを入れずに直接、皮膚と穿通枝皮弁を移植したので、金属問題は思いつきませんでした。
このブログをお読みになり、情報をゲットした方、どうかご協力下さい。
・人工乳房の技師、メディカルラボ Kさんがクリスマスプレゼントを持って来てくれました。のり付けするシリコン乳頭や、再建した乳頭の陥没を防ぐニップルカバーなどを手に取って見ると、試供品の頃より数段、使いやすくなっていました(のり付けする部分の膜が薄くなり、軽量です)。Kさんが発案したニップルカバーは「ピアニー」という商品名で全国流通しています。授乳中に使う市販のカバーとは明らかに使い勝手が違います。
大手企業よりコストが低いのは、患者さんの悩みの聞取り、HPの文言、工房の仕事の全行程を、Kさん御自身が担っているからです。
さらに詳しく知りたい方はこちらから。
http://www.medical-lab-k.com/
このサロンは再建、治療の副作用の対策、などの情報交換を目的にしていますが、今はただ、悩み、哀しみなどの心情を共有したい患者さんもいらっしゃるでしょう。ぐんまの安心がんサポートブック(病院に置いてあります)に県内の様々なサポート組織が挙げられています。毎年更新される冊子です。参考になさって下さい。
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