乳がんホルモン療法xアストラゼネカ製ワクチン、副反応の血栓の心配は?

 皆様、新型コロナワクチン接種状況はいかがでしょうか?

実はアストラゼネカ製ワクチンの副作用:血栓症が、乳がんのホルモン療法の副作用の一つ、血栓症に拍車をかけるのではないか、と医療の素人ながらも、心配しています。

優れた乳腺外科医の間でも未だホルモン療法の副作用は、十分に認識されていない、という不安の声が届きます。乳がんになりやすいのは更年期障害を迎える年齢なので、更年期の症状なのかホルモン療法の副作用なのか、境界線が曖昧です。盲点になっています。

女性ホルモンを抑える服薬している患者さんがアストラゼネカを接種した場合、血栓症になるリスクはどう捉えられているのでしょう。持病に有無に係わらず、40歳以下の若い世代(特に女性)に血栓症が出る割合がやや高いようです。

薬剤師のYさんに尋ねてみたところ、ファイザーかモデルナのワクチンを選択した方が良い、とのことでした。もちろん、乳がんで受診している主治医に、確認を取ることが前提です。

「ワクチンは接種券さえ有れば、自分の住所地でなくても他の市区町村で接種可能です。ファイザーかモデルナのワクチンがある所を近隣の市区町村で探して打つのがベターでは…。」(Yさんのメールより)

 

はい、私は前橋市在住ですが、地元のJ新聞を読んでいて、高崎の大規模接種:Gメッセに空きがあると知り、即刻、モデルナをスマホ予約しました。受付け完了の後、すぐに締め切られたようです。幸運なタイミングでした。

また「患者さんは接種予約の際、自己申告し、バイアスピリンなどの抗凝固剤を服用した方が良いのでしょうか?」というこちらの稚拙な質問にYさんは次のようにお答え下さいました。

「血栓症のためにバイアスピリンを飲んで予防して…というやり方はあり得ないと思います。血栓には白色血栓(血小板が関与)と赤色血栓(血の塊が主)2種類があります。そのうちバイアスピリンは白色血栓の方に作用します。赤色血栓にはあまり効果がありません。アストラゼネカの血栓症はどちらの血栓症なの確認できていません。また血小板減少症を伴うようですし、バイアスピリンは効果がどの程度あるのか不明です。どちらにせよ予防に抗凝固剤を服用してワクチンを打つなど論外と思います」。

 Yさん、ありがとうございます。

皆様、真剣に御自身の身を案じていらっしゃると思います。乳房再建について前向きに勉強している方は、ワクチンの副反応を過度に恐れること無く、冷静に対処していることでしょう。待ちの姿勢ではなく、どんどん調べて見て下さい。しかし巷に出回るガセネタ(将来、不妊になるなど)を鵜呑みにするのには首を傾げます。そもそもワクチンの悪影響について巷に出回るデマが本当なら、政府の要人も若い医療者も、率先して打つことはしませんよね。

 

この夏、群馬の土屋文明記念館で宮沢賢治企画展が開かれました。友人に宛てた賢治の自筆の手紙に、「シッカリヤリマセウ」が何十回も書かれているのを見て、こみ上げて来るものがありました。

 誰もが、苦しんでいます。それでも皆様、置かれた場所で、「シッカリヤリマセウ」。

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