「乳房再建」第一世代の私たちに、発信出来ること
皆様 いかがお過ごしでしょう。
先日、スマホで比較的新しい講演会を見つけ(約三ヶ月前の開催)、無料動画を見ることが出来ました。そして気になっていた事が解決しました。
私事ですが、コロナ禍で体重が二キロ増え、八年前に(穿通枝皮弁法で)腹部から移植した右のお胸が、円くなってしまいました。腹部の脂肪の性質を受け継ぐので、太ればそこは円くなる、と以前から聞いていましたが。
しかし体重を元に戻しても、やはり以前のような完璧な左右対照ではないのです。その理由が、このオンライン講演会で分りました。
健康な乳房には乳腺と脂肪がありますが、歳を重ねると乳腺は痩せてゆきます。
しかし脂肪を移植した患側は脂肪だけなので、大きいままなのです。(但し、余程しげしげ見なければ分らない程度ですよ)。
自家組織であれ、シリコンであれ、再建した後の結果を、十年後二十年後に検証出来るのは、私達、第一世代です。乳房再建を熟知している形成外科医もまた、未知への挑戦を続けています。
講演会では乳腺外科の名医が語っていました。
その病院では再建方法に悩む患者さんのために、診察室の奥に、自家組織、シリコンの再建経験済のボランティア達が控えているそうです。乳がんを告知された患者さんに、再建の結果を体感していただいている、とのことでした。
患者会の層が厚い都心ゆえ、可能なことかもしれません。
再建の長短は写真だけでは分らないし、診察室を出て患者サロンの開催日、会場などを必死に調べる患者さんの大変さを思えば、素晴らしい協力体制だと思います。
さらに重要なのは、温存手術の場合です。
乳房内のどの部分に「がん」があるかによって、切除後の変形が異なります。
ほとんど変形が無く、綺麗に温存できるかどうかは、しこりの位置によるのです。
ここで公に断言する立場にはありませんが、全摘か温存かで迷っている方は、是非、乳腺外科医に率直に聞いてみて下さい。自分の乳房内にあるしこりを部分切除し、放射線をかけた後、どのような結果になるか、症例写真を求める事は可能でしょうか?(次回のコラムに続きます)
術後8年経った変化のお話参考になります。
返信削除ありがとうございます。
温存術からの再建術後ちょうど2年経ちました。
夢いっぱいで臨んだ再建手術の退院する前日に、
シャワーを浴びて初めて鏡を見たら
左右非対称(患側が小さい 乳頭外向き)の仕上がりに
衝撃を受けた日を思い出します。
温存術は皮膚の一部を切り取って皮膚を縫い縮めて
その後10年の間に拘縮によるひきつれも発生し
形成外科医にとって左右対称にするのは難しい手術です。
乳房再建は医師の経験と情熱と技術によって差が出ます。
職人芸です。
私のブログに書いたことの繰り返しですが
乳房再建は、
・事前によく勉強して、
・主体性を持ってどうしたいのか明示して
・症例のより多い病院で
・美しい乳房を作ろうという情熱を持つ医師に出会って
・主治医と信頼関係が持てたと確信できる状態で
手術を受けなくてはいけません