10月街角サロンのご報告

 十月十日の街角サロンは予約者六名の小規模開催、話題は様々なのでランダムに列記します。

・『シエントラ』のしずく型シリコンが保険適用されました。これを待っていた多くの患者さんが再建に殺到しています。アラガン社の円形のシリコンも質は悪くなかったと聞きますが、問題は形です。

現在、『シエントラ』のシリコンサイズは30種類前後、年末にかけてさらに種類は充実してくるのではないか(グンゼが販売代理店)とのこと。いつものように、Sさんが最新情報を寄せて下さいました

・45歳以下の発症、60歳以下のトリプルネガティブの患者対象に保険適用される、遺伝子カウンセリング、血液検査ですが、必要ならばまず、カウンセリングを受けてみること(カウンセリングのみなら1,000円ちょっとです)。

ただし、血液検査に進むと費用が半端ではありません。検査は未だ米国に外注しているようです。こんなはずではなかった、と思わなくて済むよう、是非あらかじめ調べて下さい。

また、陽性判定が出た場合、子供にも1/2の確率で遺伝していることになります。一生の伴侶を見出した時、遺伝子変異の保持者であることを相手が理解してくれても、その家族がどう受け止めるか。また民間の保険会社がその種の診断書を、いずれ米国のようにシビアに求めるようになるかどうか、等。

乳がんは早期なら9割以上、命は助かるけれど、卵巣がんの方は発見が難しいので、予防切除の保険適用を受け入れて行くのは時代の流れかもしれません。今や9人に1人が罹る病になった乳がん。患者さんは熟慮を求められます。これからのサロンで、この話題が頻繁に話し合われるようになるよう、願っています。

カウンセリングを受け、資料を読み込んでサロンに臨んで下さったKさんの協力により、以上を記録しました。

・以前のブログ(テレフォンミーティングの報告)でも詳しく紹介した、抜け毛防止の冷却帽子ですが、経験者によると装着しても頭髪はやはり9割抜け落ちたそうです。ただ、生え戻るのが早い利点があり、その方は綺麗なショートカットにまとまりました。アレルギーがあるので、通常の白髪染めは使わず、ハーブの『ヘナ』で、自分で染めているとのこと。髪にコシが生まれ、黄系のナチュラルメッシュで艶々と仕上がっていました。やはり髪が人に与える印象は強いものです。

 抗がん剤(タキサン系)投与中の冷却装置と言えば、爪を保護するためのグローブ、ソックスはだいぶ普及してきていますね。

・富山大付属の佐武Dr.の外来は、電話をかけてからの待機時間がどのくらいなのか、現在明言出来ませんが、「脂肪注入、自家組織で再建をお考えの方は、ひとまず電話を入れておいたら」という助言がありました。通院している方によると高崎からは新幹線「はくたか」で富山駅までぴゅっと行き、1階に下りるとすぐバス停があるから、そう遠く感じなかった、とのことです。予約を入れてもよんどころない事情でキャンセルせざるを得ないかもしれません。それは仕方ないと思います。

 何よりも富山県周辺の乳がん患者さんが、再建によって新たな路に導かれるのが喜ばしいですね。東京周辺にばかり名医が集中しているのはやはり不都合でした。 

・血栓の出来やすい体質の方からのご報告です。本手術は終えているのですが、修正と乳輪乳頭作成は別々に行い、短時間のオペにするそうです。

・ホルモン療法の副作用に効くツムラの漢方について追加情報あり、むくみには36番、とのことでした。

・マンモ技師の新井敏子さんが開校したマンモグラフィトレーニングスクールを、八月末にサロンレギュラーのTさんと受講しました。患者向けのコースです。正確な画像を撮るにはいかに(乳房を)潰すか、いかなる角度で平たくするか。痛いからマンモは嫌い、などと言っている場合ではない。技師さんも真剣です。マンモ技師は病院内で黙々と撮影をしていると、技術が我流になり見落としが多くなる可能性があります。ベテランの技師さんでもこのようなスクールで腕にさらに磨きをかけて欲しいものです。このような機会が桐生市に設けられたことは大きな意義だと感じます。

画像の白い点が石灰化であるであると示されても、私達には見分けが付かず、読影技術にも資格があることに納得しました。

上毛新聞でも取り上げられ、また桐生タイムスに掲載された記事はレギュラーのWさんがメール送信してくれました。

新井さんは患者の思いを尊重し、スクーリングの後、患者同士ゆっくり交わる時間を与えてくれました。会場は明るく家庭的な空気です。こちらの企画が様々に活用されることを願っています。

※乳頭直下にある乳がんは見逃されやすいし、乳腺の多い患者さんは診断が難しい場合もあるので、検査はやはりマンモとエコーを併用するのが良いようです。

・この日の体感会ではコロナを言い訳に二キロ太ってしまった自分の、シンメトリー崩れ(お腹の脂肪の性質を引き継いでいるので、太ると再建側が丸くなる)を、自虐的に見て貰いました。「傷跡がもうほとんど見えない(八年経過していますので)、お肌が艶々している」等、皆さん、優しい言葉をかけてくれました。

 昨年二月に自家組織で再建したKさんはしっかり脂肪が定着しています。初めて見せていただいた時、ご本人はアンダーのラインがなだらかなのが気になっていたようですが、ワイヤー入りの下着を着けるようになってから、次第にアンダーがクイッとなり、メリハリが付いてきました。こういう柔軟な変化も、自家組織の面白さだと思います。

 

再建が一段落すると眼差しが素直になって表情は可愛くなるようです。しかし中途の段階では悩ましい事も多々あります。

皆さん、皮膚の保湿は徹底されていますか。繰返し訴えていることですが、皮膚は縮もうとする性質があるので兎に角、こまめにクリームなど塗って乾燥を防ぐように。岩平Dr.はあらゆる講演会でこれを警告しています。どのような段階でも、保湿は必要です。


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