がんゲノム医療の講演会(ぴあサポぐんま主催)が開催されました
「がんのゲノム医療とは、先進医療とは」
~患者とともに考えるがん医療新時代~
2019年9月21日(土)
国立がん研究センター中央病院:乳腺・腫瘍内科・希少がんセンターの医師、下井辰徳氏による講演会が開催されました。
今年6月より、標準治療を終了した患者を対象に、「がん遺伝子パネル検査」が保険適用となっています。パネル検査とは100~500個に限った遺伝子の検査です。
患者がさらに有効な治療を受けられる希望が見えてきました。が、現段階ではパネル検査の結果、治験対象になるのは一割程度の患者に過ぎません。「混合診療の禁止」など、制約が山積しているためです。
患者がさらに有効な治療を受けられる希望が見えてきました。が、現段階ではパネル検査の結果、治験対象になるのは一割程度の患者に過ぎません。「混合診療の禁止」など、制約が山積しているためです。
抜け道として「患者申出療養制度」があります。ここで詳細を説明出来ませんが、選択肢は確実に広がります。
群馬では太田市の県立がんセンターが、相談を受付ける「がんゲノム医療連携病院」に指定されました。
医療施設には「がんゲノム医療連携病院」<「がんゲノム医療拠点病院」 < 「がんゲノム中核医療拠点病院」が、あります。
「がんゲノム連携病院」では患者の相談を受け、その検体を準備し、大御所の中核拠点病院にパネル検査を外注します。
その結果を患者に説明し、治療にあたることはがんゲノム連携病院でも可能です。
今後、がんゲノム医療が伸びて行くには、遺伝子の解析の膨大な量のデータが必要になってきます。治験に参加すること、「患者申出療養制度」を使うことは、患者自らデータを提供し、将来の「がんゲノム医療」に貢献することになる、という事をどうか含んで下さい。
アンジェリーナ・ジョリーの受けた遺伝子検査と、「がんゲノム医療」を、決して混同しないで下さい。
アンジーはまだ乳がんに罹患していませんでした。遺伝子検査を受けることで将来の罹患率が高いのを知り、予防切除に踏み切ったのです。
「がんゲノム医療」は、がん患者から切除した病理組織の遺伝子を解析し、効果のある薬を割り出してゆく医療です。
「がんゲノム医療」は、がん患者から切除した病理組織の遺伝子を解析し、効果のある薬を割り出してゆく医療です。
また、遺伝子検査であれ、ゲノムのプロファイリングであれ、解析を頼みにする患者さんは、どうか正式なルート、つまり国によって指定された医療施設を通って下さい。
マスコミで宣伝している民間の遺伝子検査は、国を挙げて取り組んでいる「がんゲノム医療」とは関わりないブラックホールです。
以上の二点についてはくれぐれも理解して下さい。
講演会の担当者が下井辰徳Dr.に重ねてお願いしたのは、難解な「がんゲノム医療」を患者レベルまで下りて、わかりやすく説明して欲しい、という事でした。それに応えて下さった講演内容であったことは、聴衆のアンケートに表れています。
都心まで出向いても滅多に聞く機会のない、最先端のテーマでした。
医療関係者やがん対策に取り組む公務員の方にも足を運んでいただけたのは幸いでした。
医療関係者やがん対策に取り組む公務員の方にも足を運んでいただけたのは幸いでした。
予想以上にお話し上手だった下井Dr.の説明を切り取って要約し、骨皮筋に過ぎない一部分の報告となりましたが、ご容赦下さい。
乳房再建の情報交換に過ぎないシャロンのブログで、ゲノム医療を持ち出すのは背伸びが過ぎたかもしれません。でもこの先、きっと毎日のように「がんゲノム医療」の話題はメディアに公表されて行くでしょう。
太文字の言葉は、そのような場合、頻繁に目にすることになる用語です。
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以下、乳がん患者さんに宛てて記しました。
※標準治療を終了したがん患者が、ゲノム医療の保険適用となる、とのことですが、何をもって標準治療を終了したと見なすのか。
(標準とは並という意味ではありません。長年の臨床と研究によって確証された最善治療です。英語のstandardを直訳したところが、「標準」となってしまったそうです)
(標準とは並という意味ではありません。長年の臨床と研究によって確証された最善治療です。英語のstandardを直訳したところが、「標準」となってしまったそうです)
幸い乳がんには承認されている有効な薬が沢山あります。しかしそれらを終了するまでには副作用で体がへたってしまい、ゲノム医療に進む気力体力は残されていないかもしれない。しかし、副作用が酷い故、その標準治療を中断した場合にも、「終了」とカウントされる、とお聞きし、ホッとしました。
---------次回の『シャロン前橋』街角サロン--------
日時:10月12日(土)午後2時から5時まで
会場:群馬県立図書館 3階 研究室にて
勉強会のテーマは「自家組織の再建手術、準備とその後の経過について」です。
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