健側の乳腺と脂肪を、移植して乳房再建する方法

健側がとても豊満で、かつ患側を全摘している場合、シリコン再建は難しくなります。左右バランスの取れるような大きなシリコンは、おそらくありません。
自家組織なら十分考えられます。60歳代の紡錘形のお胸の見事な再建例を、ある患者大会の体感会でこの目で見ました。感動しました。それはお腹の埋蔵金(脂肪)を使ったものでした。
けれど中には、生来の豊満なバストゆえに肩こりや洋服選びで苦労されている方も多いでしょう。そこで健側を縮小し、シリコン再建する方法が考えられます。
また、健側の乳腺と脂肪を、患側に移植する方法もあります。佐武ドクター受診の日にお聞きしかったのは、この術例についてでした。
佐武ドクターは12例、ご経験があるそうです。「国内では他には聞かないが、ドイツには若干の術例があるらしい。血管は3本つなぐ。加えて大事な条件が一つある。健側に乳がんが出来ていないこと」と聞いて、最後の言葉にハッとしました。移植する部分に乳がんの気配があってはならないのは当然です。が、キレイな健側から移植した後、移植部分にがんが発症する例が、この先、皆無とは言えないのかもしれません。それは遅ればせながら、両側乳がん、ということになります。
ややこしいでしょうか?
両側乳がんにかかりやすい、家族性、遺伝性の乳がんの患者さんは、医師と十分、ご相談下さい。

この日、待合室で懐かしい患者さん達をお見掛けしました。受診後、皆さんはレストランで再建同窓会をされたようです。
名医の元には多くの患者さんが詰めかけますが、尚、その医師の人柄が温かく信頼できるものなら、おのずと患者の楽しい輪が広がるのではないでしょうか。信頼感をそのまま固く持って、乳輪乳頭作成までやり通すことが出来た自分たちは幸せだと思います。
私もお誘いいただいたのですが、以前にシャロン前橋の講師役として来ていただいた『今日子さん』とお会いする約束があったので、参加できませんでした。

1年ぶりで会う今日子さんはとても元気で、新鮮でした。岩平佳子ドクターの再建経験を、まだ始めて間もないシャロンでお話しいただいたのですが、そのとき撒いてもらった種が、Oさん、Kさんの再建へと花開いたのです。
今日子さんのお胸は快調。時折、皮膚がピリピリする感じがあるので、余り物の乳液をお風呂上りにすり込んでいるとのこと。皮膚は乾燥した時、縮むのだそうで、縮めばシリコンはどうしても上に上がってしまいます。ピリピリは乾燥の黄信号です。とても有用な情報を、今日子さん、またしてもありがとう。


次の街角サロンは4月8日(土)です。この2月にシリコン挿入されたKさんが参加される予定です。桜の季節のお披露目を楽しみに待ちましょう。

コメント