「乳輪乳頭のみ」の再建はどこに頼めば良いのでしょう?

H29年2月16日。一年ぶりに佐武ドクターの受診日でした。
完成してから1年半、傷は次第に薄くなり、『形』については佐武ドクター曰く「よく出来ているなぁ……自画自賛」。
短い時間でしたが、他の患者さん達の直面している問題について、いくつかお尋ねしてみました。
まず、乳房本体の再建は済ませたものの、乳輪乳頭作成の前に担当ドクターが移動したり、諸事情により同病院での施術を受けられなくなってしまったケースです。
乳輪乳頭は本体再建後の経過観察を含めて作るものなので、よそで作った作品にそれだけを付ける、という施術は行っていない病院が多いようです。
残念ながら佐武ドクターもお受けしていないとのこと。こちらのブログで幾度かお名前を挙げている、都立駒込の寺尾保信ドクターも受け入れません。
自家組織で再建した場合、エキスパンダーで皮膚を伸ばしたのか、腹部や背中の皮膚ごと移植してきたのかは、重要な要素です。さらに大切なのは、乳輪乳頭を作ろうとしているその部分の皮膚が、放射線を浴びてしまっているかどうかなのです。
 私はスターフラップ方式で乳頭を作り、鼠径部からの移植で乳輪を作りましたが、「その後の刺青は地元のどこかで頼んでも良いですか」と聞いた時、佐武ドクターの答えはきっぱり『ダメ』でした。
苦労して綺麗にしたものを、他のどこかに持って行かれるのは忸怩たるものがあるでしょう。が、「最後までボクがやるんだ」という思いとは別の次元の医療事情があるのですね。
移植した皮膚で乳輪を作る場合、円く縫い付けるのは難しいそうです。乳頭とて陥没しないように再建するには、ベテラン形成医の長年の経験あってのことです。愛想よく引き受ける美容整形に赴いて、安請け合いされるケースがあるかもしれない。そう思うと、心配です。
 
ブレストサージャリークリニックの岩平佳子ドクターは乳輪乳頭のみの作成を受けて下さると聞いています。岩平ドクターの手技については、シャロンブログのOさんの手記をご覧下さい。
ブレストサージャリーでは、刺青だけで乳頭があるように見せる技術もあるとのこと、刺青費用は23万円くらいです。

温泉に入る時だけ気になるという方はニップル(糊でつけるシリコン乳首)という選択肢もあります。群馬県内では先般、ご紹介した『メディカルラボ・K』の萩原圭子さんがオーダーメイドで作ってくれます。

追記:健康保険適用の乳輪乳頭作成、つまり自家組織による再建について、料金を問われることがあるので、簡潔に付け加えます。
 2015年3月の時点で(標準月額報酬26万以下、つまりごく平凡な収入の人は)、医療点数に係らず、57,600円でした。高額療養費の適用になったからです。差額ベッド、食事代はもちろん実費です。ただしこの自己負担限度額はくせもので、月をまたげば定額をはみ出すし、政府の都合で何年かに一度変わります。私自身のお小遣い帳でよければシャロンブログの『「乳輪乳頭作成」今回の費用を参照して下さい。
 
 刺青が必要かどうかは術式によります。鼠径部からの移植で乳輪をつくり、健側を切り取って乳頭を移植した場合、刺青は要らないのではないでしょうか。


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 もう一つ興味深くうかがったのは、健側サイズが豊満な女性の、乳房から乳房への移植のケースでした。 

長くなりますので、ひとまず締めくくります。

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