シリコンドクター、自家組織ドクターの連携 :E-BeC主催 「講演会」


佐武ドクター外来の待合室で懐かしい方に逢いました。二度のくりぬき手術で放射線をかけた後、佐武ドクターによる再建で美しいお胸を取り戻した女性です。この女性はウラフネの再建サロン参加の際に、ご自分の再建前の痛ましいお胸の写真を見せて下さいました。私はそのビフォー・アフターに驚いて、自分も頑張ろうと再建を決意したのです。

彼女の場合、初めは乳腺外科医からシリコンの岩平佳子ドクターを紹介されたそうです。しかし二度の放射線照射で皮膚が突っ張っていた状態でした。
乳腺外科医は放射線照射が「エキスパンダー+シリコン」の再建を難しくするのをご存じなかったのでしょうか。今から10年以上前、2000年未満のことです。

彼女が岩平ドクターのクリニックに赴くと、きっぱりと佐武ドクターを紹介して下さったそうです。そして、エキスパンダーを入れずに皮膚ごと移植する『穿通枝皮弁』による再建術が成功したのでした。

シリコンドクターが自家組織ドクターに患者さんをゆだねるという連携が、一朝一夕に密になるとは思えません。利害損得を超えた長年の信頼関係が備わっていて可能になるのだと思います。

来る3月27日(日)銀座の時事通信ホールにて、岩平ドクターと佐武ドクターのジョイント講演会が開催されます。http://www.e-bec.com/caravan/gin0327 を是非、ご覧下さい。TamTamさんのメールで教えていただき、決定を待ち遠しく思っていました。E-eCの主催です。第二部のブロディー愛子さん『患者から見たアメリカの乳房再建』にも興味津々です。遺伝子変異のある米国の乳がん予備軍の女性達が、日々をどう過ごしているのか、知りたいところです。

話は戻りますが、その待合室で今度はSOGのYさんが声をかけてくれました。素晴らしいサプライズ、三人の再建同窓会になりました。Yさんがお手伝いしているSOG主催の山梨の再建講演会は、年々、内容が充実し、笑顔で帰る参加者が増えているとのこと、光景が目に浮かびます。今年こそは11月の山梨の講演会にも参加を、と思っています。

現在、佐武ドクターの再建手術は、予約を入れてから三年待ち、という状況です。4年前の私は一年半待ちでした。しかし長い待ち時間にあれこれ片づけて万全の準備をしておくという方法もあります。

この日の診察で、高崎のメディカルラボ・Kで作ってもらった、乳頭陥没防止のニップルカバーをお見せすると、ドクターはとても喜んでくれました。スターフラップ式の乳輪乳頭作成は新技術が進んではいても、陥没の可能性がゼロではないのでしょう。

自分の再建もビフォー・アフターのファイルに仕立てようかと思い、看護師さんにお願いしてメモリチップに入れていただきました。ところが、ビフォー・アフターどころか、術中の記録を含め、私の再建についての資料は全てそこに入れておいた、と言わました。私は慌てました。「大丈夫ですか? 切り刻んだようなものもありますよ」と佐武ドクター。確かに全てを直視する覚悟は、まだ出来ていません。

けれど直視した自分が何を思うかは予想できます。たかが一人の女性のお胸のために、医療チームが渾身の力を込めてくれたという事実を知り、涙が滲んでしまうのでは、と思います。

素敵な一日でした。ちょうど一年前、乳輪乳頭の化膿止めをもらった処方箋薬局の女性薬剤師さんが覚えていてくれて、「日本中から患者さんが来ていますね」と再び、乳房再建談義。街路の三色スミレが綺麗に咲いていました。
[乳房再建ネットワークシャロンm]HP http://charon.webcrow.jp


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