乳輪乳頭作成  術後二日目(スターフラップ+鼠蹊部)

2015年
3/1(日)術後二日目。

 朝の回診で、腋の脂肪吸引部分の厚ぼったい脱脂綿がとれ、代わりにテーピング。その傷三センチ。鎖骨下の脂肪注入跡にも新しいテープ。


Xさんに見てもらうと、術側の乳房が昨日より腫れているという。それもまともな体の反応だ。私の体は私のために頑張ってくれている。

 抜糸までは、全身シャワー禁止。

 朝食後、シャンプー。元より顔色が悪いので、鏡を見ると病人の気分になってしまう。ファンデーションと口紅を薄く塗った。篠突く雨、外は寒い。

 
 午後、30年来の友人が見舞ってくれた。彼女も同病の経験者で、シリコン再建を完成させている。
 ホルモン療法で脚が弱くなり、一時は10メートルと歩けなくなってしまった。少しずつ筋力をつけ、今では毎日、野の花が咲く道を30分歩き、週に二回は泳ぎに行くという。
 やはり筋肉をつけなくては。せっかく乳房再建で自然なラインを取り戻したのだから、泳がないのはもったいない。
 

 彼女は乳がん告知をうけた時は「早く悪いものを取らなくては」、と焦ったそうだ。けれど腫瘍が大きかったため、術前抗がん剤治療を受けた。そのおかげで、再建を熟考する時間が与えられ、切除時にエキスパンダーを入れる決心がついた。その後はシリコン挿入、乳輪乳頭作成と順調だ。乳頭は健側からの移植。一日一回沈みかけているのを引っ張り上げるという。

 ピンクの薔薇を一輪、それ以外は何も必要ないから、と伝えておいたが、新刊マンガを一冊差し入れてくれた。
『聖お兄さん』。イエス・キリストとブッダが、愛すべき青年として日本に生きている設定だ。町内会の節分や雛祭りに馴染もうと、二人が悪戦苦闘しているのが面白い。
 キリストやブッタが今の世間に生きているというのはよくあるストーリーで、大抵、キリストが三枚目役だ。福音(新約聖書)だけが広く読まれているからだろうか。キリスト教の神観やイエスの人格は、旧約聖書を併せ読まなくては捉えられないのかもしれない。 

「乳房再建ネットワークシャロンm」HP http://charon.webcrow.jp

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