乳輪乳頭作成 術後3日目 4日目 退院前日 (スターフラップ+鼠蹊部) 

2015年
3/2(月)術後3日目

 この日の素晴らしいサプライズは、Xさんを見舞ってくれたお友達が、刺青した仕上がり乳頭の一例を、写真で見せて下さったこと。詳細は自分が経験するまでここにはアップ出来ないが、胸のときめく貴重な情報だった。

 ある場面が思い出される。
 乳房再建の本手術の前夜、佐武ドクターが術式の絵を描いて詳しく説明してくれた。「ここまで来たら、お任せします」と答えたような気がする。疲れ切っているドクターに早く帰って休んでほしかった。
 あとから書類を見直すと『一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします』と手書きの文字で結んであった。患者をヒイキなく公平に扱いつつ、尚、それぞれの個人を尊重している。この一言で、自分も頑張ろう、と鼓舞される患者は多いようだ。
  

3/3(火)術後4日目


 10時の回診で鼠径部のテープが取れた。

「痛いですよ、我慢してね」 「くすぐったいです、あら?これから取るの?」
「もう取れたよ」。
  傷はミミズバレ程度。あとは塗り薬もテープも無い。鼠蹊部だけは体内で溶ける糸を使っているのか、抜糸も必要ない。
 テーピングがなくなると、むしろ違和感がある。

 ショーツの縁(へり)があたるようなら、ショーツのその部分は鋏で切り取ってしまう、ストッキングで擦れるなら、ももひきで足りるファッションで外出する、など患者によって様々な工夫をしているのだと思う。

 

 今日から下半身シャワー可。体は自由に動くが、腕を上に、後ろに、強くひっぱることは当分我慢して下さい、とナースから一言。

 Xさんは今日で退院。
 彼女のおかげで愉快で有益な入院になった。感謝です。機会があればシャロンmに遊びにきて、ぜひ群馬の温泉でくつろいでほしい。

 前にも書いたが、Xさんの再建本手術は、佐武ドクターによる『穿通枝皮弁』、同時再建だった。

 二次再建患者の場合、絶対安静の48時間のあいだ「命にかかわらないのに、こんな形成手術、するんじゃなかった」という一過性の後悔に襲われる。
 乳がんを切除するのと同時に再建するなら、治療そのものなのだから悔いは無い。二次再建と比べて長時間かかるわけではない。エキスパンダー過程も飛ばせるので、体にも費用にも負担は少ない。 
 また、Xさんからの情報によると、ドクターにとっては二次再建より同時再建の方がやりやすいそうだ。
 8、9年前の私の乳がん治療では、自家組織の同時再建など、まったく視野に入っていなかった。

 同時再建を望んだ患者すべてにチャンスがあるではないが、チャンスに恵まれた人はそれを大事にしてほしい。
 再建本手術後の『48時間絶対安静』とて、限りがある苦しさに過ぎない。終わりは来るのだ。


3/4(水)退院前日


 さる筋から貴重な情報が入った。乳輪乳頭に刺す刺青の、良質な素材が新たに出た
という。

  
 これから、仕上がりを迎える私達はとても幸運だ。

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