近藤誠dr.の 『乳がん放置』 受け入れるのか
がんもどき(良性)=治療の必要なし
本物のがん(悪性)=どうせ転移するのだから治療しても無駄。
この仕分けを信頼して無治療を選ぼうとしている患者さんは、次のような例をどう捉えるでしょう。
私の友人は、乳頭直下に7センチのがんが見つかりました。半年間の抗がん剤でがん小さくしてから、切除+エキスパンダーの手術を受けました。海外にいる娘さんの勉強を妨げてはならない、その一心で秘密裏に治療を続け、三年後の今、転移はありません。日本に帰ってきた娘さんを笑顔で迎え、自分の身に起こったことを初めて打ち明けました。そして後日、インプラント再建した綺麗なお胸を見せることが出来ました。
発症時、「これだけ大きくなっていたらもう先は長くないから、抗がん剤などやらず、家族と楽しく余生を送ろう」と誤った判断していたら、その後どうなっていたことか。
また、私が切除手術を受けた時、同室だった70歳代の女性は、半年ごとの検診で、
『白→灰色に近い白→灰色→黒に近い灰色→黒』 と、しこりの顔つきが悪性に変わってゆき、担当医の勧めで切除に踏み切りました。半年ごとにきちっと検診を受けた患者さんの姿勢もさることながら、エコーやマンモの画像を慎重に追い続けた担当医にも信頼が置けると思います。
近藤ドクターの論に共鳴し「がんもどき」を放置しておいたところ、やがて「もどき」が大きく育ち、皮膚を破って出てきた。『手術は今から受ける。だがすでに骨や肝臓に転移している。それでも抗がん剤などの治療は受けない』という経過をたどる患者さんが少なくないようです。早期発見で切除し、治療を受けておけば完治したかもしれないのに。
抗がん剤の効果を投与前に判定する検査もあります。群馬県内では「群馬大」「県立がんセ」「国・高崎総合」で実施されていると、2014年9月の新聞報道にありました。
ただし費用は40万。保険適用ではありません。私にはこれが解せません。効果のわからない抗がん剤を投与し、国や市町村に高額な保険料を負担させるより、効果の判定を保険適用にして、有効な抗がん剤だけを使うようにすれば、患者さんの体に余分な負担もかからず、お金も無駄にならないと思うのですが。
深く共感できる部分もあります。近藤ドクターの持論のおかげで過剰な診療に踊らされず、平穏なターミナルを迎えられた患者さんもあまたいらっしゃることでしょう。
けれど乳がんを告知され、追い詰められている患者さんが、この著書に心酔し、病巣を放置するかもしれないと思うと、心配にもなってきます。
近藤ドクターはこうもお書きになっています。
『医者のいうことは、あくまでもアドバイスとして受け取り、自分の頭で考えて判断する姿勢が大切です。』(9章 「先生におまかせします」はやめる) より
巨大産業でもある医療の分野に殴り込みをかけた、勇気ある、信念の医師でいらっしゃいますが、その近藤ドクターのアドバイスであっても、100%信頼してはいけないということですね?
「乳房再建ネットワークシャロンm」HP http://charon.webcrow.jp
コメント
コメントを投稿