ご報告 その2 「自家組織同時再建」


 今回、お話いただいたのは、乳がん切除と同時に腹部から再建した、県内在住のXさんです。

形成外科医は、東京医科歯科大学医学部付属病院の森弘樹ドクター。Xさんは下着選びにも苦労する豊満なサイズですから、ドクターに相当な力量がなければ脂肪を定着させるのは難しかったでしょう。術式は『遊離下腹壁動脈穿通枝皮弁』。一般には、お腹の脂肪と血管だけで作る、筋肉を採らない再建、と言われている方法です。

 
 乳がん告知を受けたのは2年前でした。朝8時30分にオペ室に入り、出たのは夜8時30分。リンパに転移があり、再建後に抗がん剤(FEC、タキソール、ハーセプチン)、そして放射線治療。
 サロンで見るXさんはお元気な人でした。 ホワイトボードに乳輪直下の病巣と、腹部切開の絵を、また修正手術ではどのように左右バランス整えたか、わかりやすい説明をして下さいました。

 
 下着を通して、夢見るような白い柔らかなお胸を披露していただき、参加者は感銘を受けました。自家組織で同時再建しておいて、あとから治療を受けても良いのだ、こんなに綺麗になるのだ、という貴重な症例です。入院は二週間だったそうです。

 
 誰もが不思議に思ったのは、Xさんが初めから都心に出て、ドンぴしゃりのドクターを選択できたことでした。理由はXさんの人生に深く影を落とした過去でした。

 ドクターによって見立てや腕に差があり、患者はそのために人生を大きく左右されること、その病院で重んじられているベテラン医師が、適切な治療をするとは限らないことなど、お身内の闘病を通し、身につまされていたのです。乳がんを発症した時点で、最善を尽くすためならどこへでも出向いてゆく覚悟があったのです。 

 
 再掲します。Xさんが同時再建手術を受けたのは、東京医科歯科大学医学部付属病院。最寄りの駅は御茶ノ水です。東京駅、上野駅から10分。駅のホームから病院が見えます。群馬からも通いやすい場所です。乳腺外科の主治医の許可があれば、二次再建も受け付けてくれます。

 
 初回のサロンからちょうど一年、参加者たちに乳房再建の知識が浸透し始めたタイミングで、Xさんの経験に耳を傾けることが出来たのは幸いでした。

「乳房再建ネットワークシャロンm」HP http://charon.webcrow.jp

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