乳房再建と[傷病手当金」
乳房再建で休んでも『傷病手当金』摘要でしょう。
税金や社会保険料をきちっと納めるのは当然としても、病気で仕事が続けられない時、生活を補償してくれる傷病手当金や、高額療養費、医療費控除などについては、お役所で教えてもらえません。知らなければそれで終わりです。
なかでも傷病手当金は、抗がん剤治療などで長期間ダウンしている間、患者を支える強い味方です。社会保険料を天引きされている立場(1年以上)なら、おそらく権利はあります。会社の労務担当に確認しましょう。あらかじめ病院の相談支援センターに尋ねておくのも手です。
手当金を払うのは雇い主ではなく、保険者です。群馬なら全国健康保険協会群馬支部です。
医師に「労務不能」の診断書を書いてもらい、会社が書類を整えれば、給料(標準月額報酬)の約三分の二のが、最長一年と六ケ月間、いただけるのです。
(もちろん、規制はあります。同病であることが条件です。休み始めの三日間は様子見なので、除外。有休をもらえば、その日数分はだめ。途中、医師の気まぐれで診断名が変わったりすると、保険者から審査の問い合わせが来ます)。
そんな手当があるのを知らずに会社を辞めてしまって、国民健康保険に切り替えたら、もう対象外です。
会社に籍をおいて傷病手当金をもらい、途中で退職したとしても、退職した段階で「労務不能」なら、しかるべき手続きのもと保障は続きます。
仮に私が乳がん切除、その後の薬物治療でまる1カ月(30日)、休んだとします。
標準月額報酬20万だったとしましょう(薄給ね、でも堅気の仕事なら、このくらいですから)。
標準月額報酬20万だったとしましょう(薄給ね、でも堅気の仕事なら、このくらいですから)。
土日が休みで、実働が20日/月であっても、傷病手当金は30日で計算されます。
以下、あくまでも概算です。
200,000円÷30日=6,666円(1日分の給料)
6,666円×2/3=4,444円(1日分の傷病手当金)
4,444円×30日=133,320円(病欠した1か月分の傷病手当金)
ただし、本来天引きされるべき社保(健康保険、介護保険、厚生年金)計29,144円は会社が立替えているのですから、誠実にお返ししなくてはなりません。
抗がん剤フルコースであれば、病欠で1年くらいはあっという間に過ぎてゆきます。
よほど優しい会社でなければ、退職をやんわり勧告されるのが関の山。患者が戦力外になっている間、会社は立替金と同額の社会保険料を払い続けなくてはならないから、長期になればその負担は重いのです。
しかし、一時期治療に専念しても、多くの場合、社会人として再生できます。復帰して頑張る選択をするなら、傷病手当金の制度を断然、使うべきです。
労務担当もバカではありません。その職員が、これまで一生懸命働いてきたかどうか、案外見えています。産休育休を活用し三児までもうけておいて、「え? あれだけ福利厚生を活用しておいて、もう辞めるの?」「権利は権利です」。
数えてみれば、彼女が在籍したのは ○年、フルで働いたのは▲ケ月だったという笑えない話もありました。
厳しい境遇で病気を抱え、懸命に自立しようと奮闘している人だっているのです。先に例をあげたお手当は、そのような「奮闘組」にこそ、知っていただきたい制度です。
ところで、これからが本題です。自家組織の乳房再建では後遺症の少ない『穿通枝皮弁』でさえ、術後一ヶ月は自宅で安楽に過ごすよう、と警告されます。
経験から言いますが、再建後の無理はほんとうに禁物です。それは闘病とは違う次元の「御自愛」です。
医師は「休養を要する」と診断書を書いてくれると思います。会社に事情を明かせるのなら、傷病手当金の対象にならないはずが無いと思うのですが。
まだそのような経験談がみつかりません。私自身、乳房再建した時点では、社保に入っていなかったので。
今後、朗報が入ることを願っています。
※追記 朗報です。同年2月末に乳輪乳頭の作製で、8日間勤務を休んだ患者(それは筆者です)が、傷病手当金をゲットしました。4/13に通帳に入金を確認。短期間だったのでわずかな手当でしたが、乳房再建の本手術も当然、傷病手当金の対象なるのだと確証を得らました。
乳房再建ネットワークシャロン前橋HP http://charon.webcrow.jp
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