「穿通枝 後遺症」
腹壁膨隆は体の奥で縫った傷口が緩み、内臓を押さえる腹膜が緩んでくるのが原因です。一般にお腹を触る手術の後遺症ですが、脂肪と血管のみを持ってくる「穿通枝」には滅多に出ません。
しかし夏の疲れが出る秋口から、歩いていると下腹部にツッパリを感じるようになりました。穿通枝皮弁による再建術を受けて三年、お胸の方は体から生えた物のように自然で、何の違和感もなかったのですが。
仕事で長時間立ち続けたことがありました。その翌日からです。ゆで卵が下腹部に2つ3つ入っているかのようで、手でおさえていないとお腹が落ちてしまいそう。ガードルをつければ普通に歩けるのですが、午後になると締め過ぎが苦しくなり、脂汗、吐き気の症状が出るようになりました。
その症状については佐武利彦医師の本「乳がんを美しく治す」「乳房再建のすべて」の中で、『穿通枝』の稀な後遺症として挙げられ、その場合、メッシュを入れて腹膜を補強する、とありました。
しかし経験者が滅多にいないせいか「穿通枝の後遺症」で検索しても、治療の手術時間、入院期間など、詳しいネット情報が見つからず不自由しました。
今後なすべきことは、2.6%の後遺症にあずかった光栄を生かして、治療法の詳細を発信してゆくことだ、と覚悟を決め、佐武医師の診察を受けました。
「そこに仰向けに横になって」と言われ、命じられるままに両足をまっすぐ伸ばし、上に持ち上げてみようとしました。が、一ミリも上がらないのです。
「三年も経ってからそういうの(腹壁膨隆)が出ることはないですよ。ましてや筋肉にメスを入れたわけではない、ヘルニアでもありません」。
噛んで含めるような佐武医師の説明は続きます。「腹筋を鍛えてください。エクササイズで治ります」。
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大忙しの師走、蒼白の顔で上司に相談し、緊急入院、手術に備えてキャリーバッグを引いてきたのに、嬉し恥ずかしのこの思い。どこへ持って帰ればよいのやら。
無理はしないように、重いものを持たないように、というドクターの当初の警告はとうに消費期限を過ぎていたのです。
これからは、歩くぞ、泳ぐぞ、山に登るぞ。
無理はしないように、重いものを持たないように、というドクターの当初の警告はとうに消費期限を過ぎていたのです。
これからは、歩くぞ、泳ぐぞ、山に登るぞ。
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