第4回(7/5) 街角サロンのご報告

サロンの5部構成が定着してきました 

①    資料 「乳がんといわれたら」日経BPムック 2014-2015年版を見て、勉強会。

全国566病院の統計によると、しこりの大きさ(3センチ以下)だけを基準に、左右のバランスを考えず温存する「標準」が、最近では減少傾向にあるのが見て取れます。

また、病院によっては乳腺外科医が10人いながら、年間の再建実績がゼロに等しい、アンバランスな機関もありました。ちなみに聖路加では乳腺外科医は4人、一期再建の件数は年間、184件です。(共に2011年データ)。   

ドクターの異動は頻繁ですし、このデータをそっくり今に活かすことは出来ませんが、再建方法、病院を選ぶための目安にはなるでしょう。

うらふねマンマのセミナー「ノート」より、ハイブリット再建、ブラバの現在を報告しました。

あえて小さなシリコンを挿入し、脂肪幹細胞を注入してカタチを整えるケースもあります。以前に横浜のサロンで触らせてもらったところ、上辺が脂肪に覆われているので、温かく、柔らかかったです。但し、保険適用ではありません

②    ゲストのお話(今回は乳がん体験者コーディネーター(BEC)の一期生、Aさんの闘病経験)。

今から14年前、「全摘しかない」と複数の医師から告げられても諦めず、高崎から東京都心、神奈川まで出向いてセカンドオピニオンを取り、くり抜き手術で綺麗な温存乳房をキープしたAさん。仮に全摘したとしても脂肪や血管をつないで再建するつもりでいらしたとのこと。

そこには持病のあるお子さんと水泳を続けたい、という強い意志がありました。都心までの定期を買って放射線治療をやり遂げた苦労を含め、当時の乳がんの治療レベルを思えば、非常に能動的な闘病スタイルでした。

後日談ですが、お母様と一緒に水泳を続けたことが、自信になったのでしょう。お子さんは今ではベンチプレスで70キロを上げるまで逞しくなったそうです。

ボランティア活動に精力的に取り組んでおられるAさんの原体験が、深い説得力を持って語られました。   

③    再建乳房、見て触れて。

この日の「参考作品」はAさんの温存乳房。穿通枝皮弁による再建1名。エキスパンダー装着者が2名(本手術ではシリコン希望)。そして左右のバランス完璧なエピテーゼ装着者が1名(製作はメディカル・ラボの萩原圭子さん。とても自然な出来栄えなので、参加者から歓声が上がりました)。

④    ティータイム さあご自由に、と勧めるまでもなく、お喋りの花が咲き、進行役は楽ちん。

⑤    参加者それぞれが発言し、経験、思いを共有して締めくくりました。

※  何時間も待たされて5分しか診てもらえない、というのが共通の不満、悩みです。けれど、たった5分の診察時間でも、患者を満足させられる医師がいるものなのです。その患者の症状や病期のみならず、個性や価値観をよく覚えていて、人間として扱ってもらっているという安心感を与えることのできる医師、しかしそれは稀有な才能です。

医師をサポートする看護師が、旧知の雰囲気を漂わせて親身に世話してくれる、それも患者にとっては大きな慰めです。

2時から5時までがあっという間でした(御用のある方は会釈をされて、そっと退席)。

今、私の心にかかっているのは、抗がん剤フルコースの真っ最中、○○さんのご健康と気持ちです。副作用の苦しさを武勇伝のように語れる日がきっと来ます。約一年かけての化学治療、それを完遂したら、シャロンでお祝いの夕食会をしましょうね。

次回の街角サロンは8月30日(土)の予定です。

コメント