自家組織の再建ストーリー
その「再建途上」のお胸を初めて見たのは、三年前でした。
お腹から移植した真っ白い部分と、小麦色の胸元がパッチワークになり、白いお豆のような乳頭が付いていました。
やがて乳輪の刺青が入り、肌の色も少しずつなじんできたのでしょう。お腹の傷もほとんど目立ちません。ごく最近、間近で見たのは、ルノアールの描くような豊満な上半身でした。温かく柔らかで、腋の傷を示されなければ再建した乳房とはわかりません。その女性のたおやかな表情に、改めて感動してしまいました。
その女性はかつて両側、乳がんに侵されていました。片側は部分切除と放射線治療のために崩れて固まり、形成外科医から「シリコン挿入は無理です」と言われ、穿通枝皮弁で知られる病院を紹介されたのです。その診察の途中で、もう片方にもがんが見つかり、一方は一期再建、もう一方は二期再建という、同時手術に挑んだのでした。麻酔から醒めた時には、(体のあちこちが切られて)「どこが痛んでいるかさえ、分からなかった」そうです。
再建された乳房も、持ち主と同様、生身(なまみ)なのです。時の流れとともに、その人の一部になってゆくのか、修正が必要になるかは、天才的な形成外科医にも予測はつきません。
乳房再建は完成を急がず、途上のお胸とじっくり共生してゆく覚悟が必要だと思うのです。
乳がん告知、再建の決心、手術や修正に耐えてきた、一人一人のストーリー。多くを語らずとも、完成の喜びには、長い期間の心の研磨が映えているのだと思います。
「シャロン m」は乳房再建をやみくもに推奨するサロンではありません。
歩を踏み出した仲間たちが、さらなる情報の発信源となり、今後リピーターとして豊かな層を構成してゆくことを、願っています。
歩を踏み出した仲間たちが、さらなる情報の発信源となり、今後リピーターとして豊かな層を構成してゆくことを、願っています。
乳房再建ネットワークシャロンm HP http://charon.webcrow.jp
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