「再発を怖れていては」


数年前になりますが「乳房再建を語る会」に参加した時のこと。
話を振られて、「自分はリンパに多数転移していて、抗がん剤治療も受けた。
乳房再建したいけれど、麻酔や痛みで乳がんが再発するのではないか」と漏らすと
間髪入れず、進行役の女性の一言、「再発を恐れていては何も出来ない」が、
力強く響きました。
その60年配の白髪ショートカットの女性が、その時点ですでに再発転移を繰り返し、
治療の最中だったと知ったのは、あとの事です。

病気の根治は何よりも大事です。しかし何年待てば根治したと言えるでしょう。

他のがんと違い、10年、時には20年も経てから再発するケースがあるのです。

万一「その時」が来たら、自分も上手に治療を受け、体調の波をつかみ、

ギリギリまでああいうふうに生きればいいのだ、そう思うようになりました。
あの一期一会に救われました。

骨太の女性の体温が、今も伝わって来るようです。

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