インプラント抜去、自家組織へ 2025年10月サロン
今回の参加は自家組織再建経験者 4 名、再建学習中1名、エキスパンダー装着中1名、計6名でした。 8月に都内の病院でインプラントを抜き、腹部から自家組織を移植した方の体験に話題が集中しました。仕事などで多忙な時期はまずインプラントを入れておき、いつか自家組織に、と考えている方は少なくないです(年に一度きちっと検診を守り、12年経てもインプラントには全く問題ない方もいますし、ケースバイケースです)。 今回、入替えた X さんは仕事と親御さんの介護のはざまを縫い、「今しかない」と照準を合わせ、オペにのぞみました。出来上がりを体感会で拝見したところ、バストの横幅、アンダーライン、乳輪乳頭も最適の位置に収まり(乳輪乳頭は、土台を動かすと往々にして左右上下にずれる)、本当にきれいでした。 ご苦労もありました。今は病院によっては術後1週間余りで退院になることが多いのですが、自宅に帰り早々に異変が起こりがちなのです。お胸の再建ですから出来立ての作品に注意がゆきますが、トラブルになりやすいのは腹部等のドナー部です。傷口に体液が溜まりやすく、そこから感染しがちです。 X さんは1週間に1度担当医師の元に通い、浸潤液を吸い出し、傷口を洗いました。1ケ月で収まったそうです。 腹部に貼ったテープに上から水がかかり、その後、剥がして乾かし、新しいものを貼れば良かった、と率直にお話しされました。入院中は守られていて安心ですが、自宅に帰ると思いがけないことが起こるのですね。 筆者の大失敗を明かしましょう。 サージカルテープを貼るのは傷を美しく治すためです。5センチに切ったものを腹部の傷に、直角に20枚ほど貼ってゆきます。あらかじめ切ったテープを机の端などに貼って用意しておき、シャワーを浴びればよかったものを、横着してシャワーから上がったのち、テープをむしり、お腹の傷に貼ってきました。それに30分もかかり、風邪を引きそうでした。苦い記憶です。 ところで話は遡りますが、再建の術後まもなく、病室の空気は乾いているので咳が出ます。それが傷に響くのは痛いです。断然、「浅田飴」がお勧めとのこと。個包装を手で破って口に入れるには手が不自由なので、ポイと一個、口に入れられ容器のものを買っておくように、との先輩のアドバイスが X さんにはとても役立ったそう...