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2025年最後の街角サロン

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  2025年12月13日(土)の街角サロンは、自家組織再建経験者 4 名、再建思案中1名、インプラント挿入者1名、計 6 名の参加でした。 この一年、遺伝性乳がんについての問い合わせが増えています。 有力な患者会、乳腺外科の努力により、遺伝性か否かの血液検査が一般的になり、その結果、遺伝性であることが判明したとき、健側の予防切除や、卵巣切除が保険適用になっていることが要因なのでしょう。 幾度か書いていることですが、とても大事なことなので繰り返します。 遺伝性の場合、健側の乳房も数年後にがんが見つかるケースが多いのです。見つかってから切除しても、命を守る治療は間に合います。けれど、卵巣がんはサイレントキラーと言われ、自覚症状がありません。三か月おきに卵巣がんの検診を受けていても、三か月後に大きな悪性腫瘍が見つかったというお話もある講演会でお聞きしました。今は内視鏡で卵巣切除が出来るので、体への負担は以前ほど大きくありません。出来れば早めに処置するのが良いのではないでしょうか。 また、血縁に乳がんが多い家系では、若い娘さんが結婚か仕事かに迷っているなら、結婚、出産のイベントを若年のうちに済ませておくのも一方だと思います。 さて、以前、体感会において、実際に再建乳房を見てその感触(自家組織とインプラントの違い)を確かめ、それを機に、自家組織再建のモチベーションが上がったという患者さんがいました。体感会では皆様、是非、遠慮せずに触感を確かめてください。  今回は県内の病院で、腹部から自家組織移植をした患者さんが、再建乳房を見せてくださいました。仕上がって三か月前後のほやほやです。初めは固いソフトボールのように感じる再建部分が徐々に柔らかく、年齢に応じて下垂してくるので、その時の見た目に加え、時間を待つことも大事です。また、お胸の皮膚はエキスパンダーで伸ばし、十分な量でしたが、あえて腹部の皮膚を少し移植することで、定着がよくなるそうです。 また将来乳輪を作る部分に、腹部の皮膚を楕円形に継いでおくと、万一壊死が起こった場合、その部分の色がいち早く変わるので、診断しやすい利点があるそうです。今回も勉強になりました。  約1年9か月前に、腹部から皮膚ごと移植し(放射線があたっているため、エキスパンダーの挿入は無し)再建された方のお胸は、...

12月13日(土) 今年最後の街角サロンを開催します。

 12月13日 (土) 今年最後の街角サロンを開催します。 会場:群馬県立図書館 3階 研究室 時間:1 5 時から1 7 時まで サロン終了後、恒例のクリスマス会を開きます。 今年もサロンを通して様々な出会いがありました。同病を経験したことをきっかけに、様々な分野で一生懸命生きている人たちに出会える幸せは、格別なものです。 ------クリスマス会----- 場所:レストラン「ジムノペティ」   〒 3 71-0844  前橋市古市町1丁目14-1    電話 027-253-6710 日時:サロンと同日  17 時半~20時頃まで 会費:3,500円(税込) ディナーセットの他、ビール、ワイン等のお代は別にお支払い頂きますのでご了承下さい。   参加の お申し込みはhdnfn138@yahoo.co.jp もしくは  090-6023-7026 まで、ショートメールでお願い致します。 サロンのみの参加、クリスマス会のみの参加、両方に参加もご自由です。 お料理の予約締め切りは一週間前(12/6)です。どうぞ、早めに御連絡下さいますように。 今年も思い出に残る、楽しい会にしましょうね。

インプラント抜去、自家組織へ 2025年10月サロン 

   今回の参加は自家組織再建経験者 4 名、再建学習中1名、エキスパンダー装着中1名、計6名でした。 8月に都内の病院でインプラントを抜き、腹部から自家組織を移植した方の体験に話題が集中しました。仕事などで多忙な時期はまずインプラントを入れておき、いつか自家組織に、と考えている方は少なくないです(年に一度きちっと検診を守り、12年経てもインプラントには全く問題ない方もいますし、ケースバイケースです)。 今回、入替えた X さんは仕事と親御さんの介護のはざまを縫い、「今しかない」と照準を合わせ、オペにのぞみました。出来上がりを体感会で拝見したところ、バストの横幅、アンダーライン、乳輪乳頭も最適の位置に収まり(乳輪乳頭は、土台を動かすと往々にして左右上下にずれる)、本当にきれいでした。  ご苦労もありました。今は病院によっては術後1週間余りで退院になることが多いのですが、自宅に帰り早々に異変が起こりがちなのです。お胸の再建ですから出来立ての作品に注意がゆきますが、トラブルになりやすいのは腹部等のドナー部です。傷口に体液が溜まりやすく、そこから感染しがちです。 X さんは1週間に1度担当医師の元に通い、浸潤液を吸い出し、傷口を洗いました。1ケ月で収まったそうです。 腹部に貼ったテープに上から水がかかり、その後、剥がして乾かし、新しいものを貼れば良かった、と率直にお話しされました。入院中は守られていて安心ですが、自宅に帰ると思いがけないことが起こるのですね。  筆者の大失敗を明かしましょう。 サージカルテープを貼るのは傷を美しく治すためです。5センチに切ったものを腹部の傷に、直角に20枚ほど貼ってゆきます。あらかじめ切ったテープを机の端などに貼って用意しておき、シャワーを浴びればよかったものを、横着してシャワーから上がったのち、テープをむしり、お腹の傷に貼ってきました。それに30分もかかり、風邪を引きそうでした。苦い記憶です(現在ではもっと簡便で優秀なテープも出ています)。  ところで話は遡りますが、再建の術後まもなく、病室の空気は乾いているので咳が出ます。それが傷に響くのは痛いです。断然、「浅田飴」がお勧めとのこと。個包装を手で破って口に入れるには手が不自由なので、ポイと一個、口に入れられ容器のものを買っておくように、との先...

2025年10月11日(土)サロンのご案内

   2025 年10 月11 日(土) 街角サロンを開催します。 会場:群馬県立図書館 三階研究室 時間: 1 5 時から1 7 時まで ( 開始時間にご注意下さい ) 参加ご希望の方は下記の連絡先まで。 電話  090-6023-7026 (非通知はお受けしていません) メール  hdnfn138@yahoo.co.jp 原則とし て予約制ですが、ライン等で御連絡頂いている方は ご心配なく。また、予定の立たない多忙な患者さんは 当日の℡、ショートメールでも大丈夫です。

8月9日サロンの参加者

  8 月9日サロンの参加者は 自家組織手術済み 4 名(都立駒込、2)(富山大附属、患者1)、自家組織手術予定者 2 名(都立駒込、 1 )(群大付属、 1 )、再建思案中 1 名、初参加 1 名、計8名でした。 初参加の方は 12 月に東京医科大付属病院でエキスパンダーを入れる予定とのことでした。がんを取った時の傷がケロイドになってしまっているので、ステロイドのテープを貼っているそうです。 主治医の先生から、「あなたは脂肪が少ないから自家組織での手術は出来ない」と言われたので、インプラントを入れる予定だそうです。 自家組織再建を完成している患者さんが、手術を間近に控えた患者さんに腹帯を贈って下さいました。お気持ちも嬉しいです。 今回は人数も少なかったので、ざっくばらんに話す時間が多く取れたと思います。  以上、サロンの記録を引き受けて下さった A さん、進行の代役を務めてくださったアチョさん、お疲れ様でした。  いつもの進行役は、ぎっくり腰でへたっておりました。重いものは持っていませんが、気温が4 1 度になんなんとする日、「早朝のうちに仕事をいてこませ」と激しく動いたせいです。 MRI を撮り骨には異常がないことを確認済み、 しかしホルモン療法で骨量が減っている患者さんは どんなに忙しくてもデーンと椅子に腰かける(圧迫骨折の原因)ことをせず、おしとやかにゆっくり座ってくださいね。   次回のサロンは10月11 日(土)です。よろしくお願い致します。

無理なく楽しめる「乳がんヨガと患者交流会」8/23 ご案内

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 8月23日(土)18時~20時30分 臨江閣にて、涼しい時間にイベントが開かれます。 会場となる臨江閣は、私も以前にたびたび使用しましたが、広々した畳が良い匂いの、ゆったりした空間です。 自分は腰の既往歴からヨガスタイルは禁止され、参加出来ずにとても残念ですが、乳がん患者さんを支える取り組みが「体操分野」から紹介されるのは新鮮です。 「乳がんヨガ」に参加したことのある患者さんによれば、ドクターでもある主催者が指導して下さるので、安心出来る、何よりも気持ちよい、とのこと。術後、知らぬ間に滞っていた血流や固くなっていた筋肉がほぐれてゆくのでしょう。

~医師と学ぶ、遺伝性乳がん卵巣がん~に参加して

   7 月12日(土)特定非営利活動法人群馬がんアカデミー主催:ピンクリボンデイ ~医師と学ぶ、遺伝性乳がん卵巣がん~ が開催されました。 都心まで出掛けず、地域で最先端を学べるのは幸運です。 遺伝子レベルの検査、治療については、数年前に「ぴあサポぐんま」が講演会で取り上げ、患者学を誘導しました。それらが今、加速的に周知されています。 遺伝性乳がん卵巣がん( HBOC )の遺伝子検査には前立腺がん、すい臓がん、男性乳がんも含まれるのですね。私の場合、三親等内に乳がん患者はいないので、昼夜逆転した生活習慣により発症したのだ、と自責の念がありました。が、近親者に前立腺がんの患者がいたのを思い起こし、それが乳がんに変異したのかもしれない、と思い当たりました。 しかし遺伝子の影響があっても「即、発症」ではありません。この世には煙草を毎日 50 本吸い続けても105歳まで元気に生きている人もいます。特殊な免疫力があるから、というのを聞いたことがあります。 群馬の総合病院のドクターのご説明から、県内では多くの病院で BRCA1.2 の血液検査を実施しているのを知り、県内の医療が、遺伝子検査にこれほど門戸を開いていたのか、と驚きました。『 HBOC 』検査は群馬大学附属病院、県立がんセンターにおいて実施しているそうです。いずれも保険適用内です。 乳がんを罹患され、それが遺伝性であることが判明した場合、特に若年の患者さんは早めに決断しなければならないことが山ほどあります。抗がん剤投与前の受精卵、卵子凍結や、乳房を同時再建するか、まず切除だけをするか、健側の乳房を予防切除するか、卵巣をどうするか、等々。がん告知を受けただけでも苦しいのに、相談できる機関は限られています。このような患者さんの悩みを共有できる組織が、必要だと痛感します。 時代は進んでいます。かつてはピンクリボン運動で、行き交う人を呼び止め、「乳がんモデル」を触らせ、肉まんの中に梅干しの種を探す、という触感を経験してもらいました。しかし、しこりを作らない種の乳がんも多いのですから、モデルを触ってみて「自分のお胸は大丈夫」と過信させるのは、もはや逆効果かもしれません  NPO 法人「クラヴィスアルクス」の講師は『がん患者が生活習慣病の悪人として苛められる、あるいは自分を責め...